近代日本の企業者と経営組織 / 安岡重明

ものごとは多面的なんだなあ。と思いました。 例えば、近江商人。文字通り近江あたりにルーツを持つ商人のことで、商才のある人が多かった。 伊庭貞剛(第二代住友総理事)は、西川吉輔(国学者。平田篤胤没後の門人)の薫陶をうけ、 近江商人は武士の魂(=…

輿論と世論―日本的民意の系譜学 / 佐藤 卓己

輿論public opinionと世論popular sentimentsは本来全く違うもの。 前者がよろん、後者がせろんと読まれていたのに、 字の制限で前者が消滅し、結果として世論=よろんと読むようになった。 輿論=冷静な意見と世論=感情的な気分の区別が明確にされなくなっ…

方法序説 / デカルト

科学に携わる者、一度は読んでおくべし。…と聞いてからだいぶ経ちました。 今がチャンスだと思って読んでみました。 …固定観念はとりあえず全て捨て去って大事なものだけ残そうとか、簡単に言うねえ。 「われ思う、故にわれあり」 とは、非常に有名なフレー…

孤独の愉しみ方―森の生活者ソローの叡智 / ヘンリー・ディヴィッド・ソロー

「孤独は、最も付き合いやすい友達である。それなのに、孤独はたいてい嫌われる。自分の孤独に手を差し伸べよう。」 本書は、150年くらい?前に、森の中でほぼ自給自足・限られた付き合いの中だけで生活してたという著者の言葉をまとめたもの、らしいです。 …

外交〈上〉 / ヘンリー・A. キッシンジャー

一言でいうと、長い。めっちゃ長い。 上巻は17世紀くらい~冷戦開始の外交史を、 ニクソン政権下の大統領補佐官など長年外交に関わってきた筆者が描いたもの。 ちなみに96年の本なので、下巻は冷戦終結まで。 基本的には、理想主義と現実主義という軸で読め…

公共哲学 : 政治における道徳を考える / マイケル・サンデル

ちょっと前に読んだ本だけど、興が乗ったので。 記憶違い等ご容赦ください。 「政治における道徳とは、個人の選択の自由に帰結されるべきものではなく、皆で考えるべきものである」 というのがサンデルの主張だったように思う。 例えば妊娠中絶に関する法案…

経済政策で人は死ぬか? / デヴィッド・スタックラー&サンジェイ・バス

なかなかに刺激的なタイトルだが、主張はひとつ。 「データや事実に基づく経済政策が必要である」ということ。 不況下の経済刺激政策と緊縮財政政策を対比させ、 経済と公衆衛生、それぞれに与える影響を評価している。 具体的には、「自然実験」という形を…

民主主義への憎悪 / ジャック・ランシエール

「自然には統治する理由のない人による統治される理由のない人の統治」 筆者によれば、これこそが民主主義というものらしい。 つまり、金持ちでも知識人でも世襲指導者でもない、「みんな」が発言権を持つこと。 最近の反グローバル化、既存の経済構造を打破…

はじめてのきじ

アルタイルです。 主に読んだ本の忘備録的に使っていきたいと思ってます。 本の内容をコメントするというよりは、その時思ったことを書く。 読書(した時の)感想文にしようと思います。 三日坊主かもしれないが。