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近代日本の企業者と経営組織 / 安岡重明

経済 雑感

ものごとは多面的なんだなあ。と思いました。

 

例えば、近江商人。文字通り近江あたりにルーツを持つ商人のことで、商才のある人が多かった。

伊庭貞剛(第二代住友総理事)は、西川吉輔(国学者平田篤胤没後の門人)の薫陶をうけ、

近江商人は武士の魂(=利益追求が至上でない)と開拓者魂を持たねばならぬと考え、

大阪商業高校の校長を無給で務めるなど積極的な社会活動を行った。

 

一方で、江戸時代からの近江商人システムには近代化にあたって問題も多かった。

合議制による共同経営(大事業における資金調達、主人や「支店長」の専横抑止)と、

他国の店舗での近江人の起用(遠隔地における経営の信頼性向上)により、

多店舗化・多業種化しつつ家業の永続性を維持していた。

家と事業が一体化している間は合理的だが、近代化を考えるなら本拠地・家業の限定は枷でしかない。

現在の伊藤忠商事などは、早くに雇用形態の転換などによって近代化し、事業拡大に適応していった。

 

現在、社外取締役の増加などによる経営の透明性確保が喫緊の課題になっている、と言っている人もいる。

経営の合理化自体はたぶん本当に必要なんだろう。

ただ、結局何が目的で何をするべきなの?という視点があってもいいのかなーなんて、素人ながらに思ったりする。

ありていに言うと、増やせばいいというもんでもないんだろうなーって。