人口と日本経済 ー長寿、イノベーション、経済成長 / 吉川洋
人口減少ペシミズムはおかしい。
財政を圧迫することは間違いないが、GDPと人口成長率に相関があるわけではない。
経済を成長させるのはむしろ労働生産性であり、
その向上の主たる要因は資本蓄積とプロダクトイノベーションである。
(ちなみに、長時間労働云々はさておき、先進国において生産性=やる気ではない)
「長寿というぜいたく」を皆が享受できるようになったのは経済成長によるものだし、
イノベーションは供給側だけではなく、需要側の事情とも密接に関連する。
言い換えると、必要は発明の母である。
問題は供給側が需要に応えられるかだが、
残念ながら今のところ企業こそが純貯蓄主体となっている。
日本の経済の将来は、企業が人口減少ペシミズムを克服できるかにかかっている。
みたいなお話だったと思います。
先行きが暗いかいうほどでもないかって話は置いといて、
(今ちょうど「経済の予測は当たらない」という本を読んでいます笑)
何とかなると楽天的に思わないと進歩はないってのはそうだと思うんですよね。
感想とも呼べない感じだけど、
本著にも引用されていたケインズの言葉で〆たいと思います。
"Most, probably, of our decisions to do something positive, the full consequences of which will be drawn out over many days to come, can only be taken as the result of animal spirits – a spontaneous urge to action rather than inaction, and not as the outcome of a weighted average of quantitative benefits multiplied by quantitative probabilities." (161-162) – J.M.Keynes, General Theory.
ではまた。土日はできるだけ更新したいと思ってます。思うだけかもしれないけど。