トリビュート 百人一首 / 幻戯書房 編

百人一首を現代の歌人?が、一人につき三・四首ずつ解釈を加えて現代風にアレンジするという試み。

 

さて、この手のものに長々と解釈を加えるのも無粋だろう。

素人の恐れ多い試みであることを承知で、

①元の歌 ②本の中の解釈 ③私の返答

の順で、印象に残ったものとその感想を並べてみたいと思う。

 

①わが庵は都の辰巳しかぞ住む世をうぢ山と人はいふなり(喜撰法師

②(挫折とか失意とかではないのにな)吾妻と猫とふるさとに住む(高島裕)

③人の目にもったいなしと映れども己の道と今思うなり

 

①花の色は移りにけりないたづらにわが身世にふるながめせし間に(小野小町

②色もなき情報降れる世に咲きて移ろうものの息吹きなつかし(佐伯裕子)

③姿なきものに見出す色もあり情報時代の君は画面に

 

①君がため春の野に出でて若菜摘むわが衣手に雪は降りつつ(光孝天皇

⓶何もない一日でしたと書き送る添付画像に屋根のあはゆき(石川美南)

③想いをば言わぬが華と思えども言わずにおれぬ人の性かな

 

①小倉山峰の紅葉葉心あらばいまひとたびのみゆき待ちなむ(貞信公)

②小倉山凍った紅葉葉あざやかに(みゆきまたなむ)こころはこころ(加藤治郎

③8Kのテレビに映る小倉山凍りし紅葉今蘇る

 

①誰をかも知る人にせむ高砂の松も昔の友ならくに(藤原興風

②暮れ暮れの公園に人のかげもなく高砂の松は風に吹かるる(沖ななも

③老いたりて松のごとくとなりけるは去りぬべき時風と共に

 

①風をいたみ岩打つ波のおのれのみ砕けてものを思ふころかな(源重之

②うつされたる口癖ひとつふたつみち満つる月夜のいつより薫る(光森裕樹)

③にじみ出る秘めたる想いありけるは君に届けと思いにけるや

 

①君がため惜しからざりし命さへ長くもがなと思ひけるかな(藤原義孝

②逢ふことをただ願ひゐし日の遠く今は生きたし病むといへども

③長寿国もはや斜陽と人は言う我は信ずる日は東にと

 

半分で挫折したんで、後は誰か頼んだ。

 

 

 

 

面白き 人と眺めて いたけれど いつしか想いに 移りにけるな(詠み人知らず)