安全。でも、安心できない…-信頼をめぐる心理学 / 中谷内一也
リスクマネジメントの話。
原発…は実際大事故が起きたから特殊かもしれないけど、
例えば食品安全(遺伝子組み換え食品とか)なんかで、
「頭では安全だろうと分かっていても、心情的に安心できない」のはなぜか?という話。
ざっくり言うと、
①リスク管理側に対する、専門家としての能力への信頼
②リスク管理側が真面目に問題に取り組んでいるという姿勢への信頼
そして、
③リスク管理側が自分と同じ「価値観」を共有していると感じられること
(ありていにいうと、管理側が「国民目線に立っている」と感じられること)
が必要だとのこと。
で、自分が詳しくない、もしくは関心の低い分野は①や②、
ある程度知識があって関心の高い分野は③が重要である「ことが多い」ようだ。
ただし、単独の要因で決まるわけではなく、これら3つのバランスが重要らしい。
正直、最初は③がいまいちピンとこなかった。
「国民目線とか言ってる暇があったら、建設的な議論の一つも進めてくれ」と思うからだ。
でも冷静に考えると、それは私がそういう価値観を持った人間だからだ、と思う。
私はリスク管理側の、尊敬できる(と感じた)人物と何人か話したことがある。
冷静で、頭の回転が速く、真面目。こんな人間になりたいと思ったし、リスク管理と言われると彼らの顔が思い浮かぶ。
つまり、「国民目線より正しい議論を進めてほしいという私目線に立ってくれる人々」を信頼しているのだろう。
人間って難しいね。