量子コンピュータが人工知能を加速する / 西森秀稔、大関真之 …に関連した雑感

タイトル通りの本。

 

著者の一人である西森は、

量子アニーリング(D-Waveの量子コンピュータの基本原理)を用いると、

ある種の組み合わせ最適化問題を効率よく解けることを示した。

で、それを「実際に作ってみた」のがD-Waveというわけです。

(参考:

Quantum Computing | D-Wave Systems

 

正直、私が量子論の話をしてもあまり意味がないと思う。分からないし・・・

なので、もうちょっとだけ分かる「組み合わせ最適化って?」というような話をしてみたい。

 

組み合わせ最適化というのは文字通り、「ある問題の解はどんな組み合わせか?」を考える種類の問題。ナップサック問題とか有名ですね。

 

分かりやすい例だと、通信なんかのネットワークや物流かな。

SNSの「コミュニティ」はどう形成されているか?

・荷物を積んだトラックはどの経路を通らせるのが最も効率が良いか?

 

もう少しだけ内容に踏み込むと、例えばコミュニティの例でいえばQ値ってのを最大化したりする。

(参考:

グラフ・ネットワーク分析で遊ぶ(4):コミュニティ検出(クラスタリング) - 六本木で働くデータサイエンティストのブログ

要するに、「外側」と比べて「内側」で結びつきが多くなるような塊に分けていったら、コミュニティが見えるんじゃね?

というような話だと解釈しています。

 

あとIoTに関連して、Mass Customerizationにも効いてくるだろう。

これはざっくり言うと、

生産工場から顧客情報まで一つのシステムでつないで顧客の要望を速やかに生産ラインまで反映させ、

大量生産レベルのスピードでの多品種少量生産を実現しようというアイデア

簡単に言うけど顧客の要望なんて沢山あるわけで、どうすればスピードを最大化できるかってのは非常に難しい問題だと思います。

 

Q.何の役に立つの?

A.宣伝はするけど、言うほど役に立ちません。

という話は(特に自然科学関連では)多いと思うし、自分はそれが悪いことだとは全く思いませんが、

量子コンピュータはそれなりに近い将来役に立つ…かもしれない。

あるいは、実は既に役に立ち始めているのかもしれない。

watchしてないから分からないけど。

 

組み合わせ最適化が総じて同じ方法で解けるかっていうとよく分からないでしょうけどね。